コントレイル ~衝撃は空の彼方へ 飛行機雲に夢を乗せて飛んでいく~

名馬解説

目次

古馬の壁を見せつけられジャパンC。そして4歳時の低迷、、、

ジャパンカップ

賞金が高いことや国際招待競走であることから国内外から強豪が集まるこのレース。

牝馬クラシック3冠を無敗で達成したデアリングタクトが既に出走を決めたことも後押しし、
コントレイル陣営は「ファンの盛り上がり、競馬としての盛り上がり」と参戦を表明。
これで同年の牡牝、無敗の3冠馬対決が実現

更には2018年の牝馬クラシック3冠馬であり、11月1日に行われた天皇賞秋にて海外含む芝GⅠ8勝を達成し、シンボリルドルフやディープインパクトなど名馬たちが持つ芝G17勝の最多勝利を更新。
現役古馬最強と名高いアーモンドアイも同レースへの参戦を表明し、3頭の3冠馬対決が実現することとなりと競馬ファンを大いに盛り上げた。

さあ、コントレイルはここでも力を見せつけ、現役最強を証明できるのでしょうか。

しかし古馬の、G1最多勝馬の壁は高かった。

レースではキセキが1000m通過57.9のハイペースで大逃げをする中、中団でアーモンドアイやデアリングタクトを見るような位置取りで競馬をする。

そして直線は逃げたキセキを追う形でロングスパートに。

上り3F34.3の末脚で追い込むも先に抜け出したアーモンドアイを捕らえることができずに1.14差の2着に敗れる。

これまで無敗だったこの馬が初めて他の馬に屈した瞬間だった。

勝ったアーモンドアイはこれで海外含むGⅠ9勝目。JRAGⅠ8勝も達成。
このレースを最後にターフを去っていった。

そしてコントレイルは放牧へ
2020年のシーズンに幕を閉じたのであった。

大阪杯

年を明けて4歳になったコントレイル。

その初戦に選んだのは4月頭に行われる阪神芝2000mのGⅠ大阪杯。

ここには前年の春秋マイル王でその安田記念ではあのアーモンドアイ相手に圧勝した
グランアレグリアを筆頭に、皐月賞で本馬に首差まで迫ったサリオスや、
新馬戦から無敗で5連勝でGⅢチャレンジCを制し、駒を進めてきたレイパパレが参戦。

この対決にかなりの注目が集まっていた。

さあ、ここで勝利を決めこの年の覇権を握ることができるのでしょうか。

重馬場もあり苦しいレースに。

レイパパレが1000m通過59.8という馬場を考えれば速いペースで逃げる中で、中団の位置に付けてグランアレグリアを見るような形で追走する。

そして3コーナーからスパートを開始し、4コーナーで先頭へ並びかける。

しかし、いざ直線へ入るとレイパパレが再度スパートを開始。

そしてそこからは差は広がる一方だった、、、

結果、レースはレイパパレが2着馬に4馬身差を付ける圧勝。

そしてコントレイルは最後は伸びあぐね、最後は後方から追い込んだモズベッロにも差され3着に。

馬券圏内こそ確保したものの厳しい結果となってしまった。

本来は大阪杯の後は宝塚記念に参戦予定だったが、疲れが抜け切れてないという理由から回避。

また、回避の発表とほぼ同時期にこの年限りでの引退を表明。天皇賞秋、ジャパンカップで競争生活に幕を閉じることを公にした。

残されたレースはあと2戦。しっかり勝利し、3冠馬の威厳を示したいところだ。

天皇賞秋

体調を万全に整えて臨んだ秋。その初戦は10月31日の天皇賞秋だ。

同レースには大阪杯4着の後、ヴィクトリアマイルを圧勝して見せたグランアレグリアに、
この年の皐月賞馬であり日本ダービー2着でもある当時の3歳世代ではトップクラスの実力馬であるエフフォーリアが参戦を表明。

この3強の構図は大注目の1戦となり、大いに盛り上がった。

さあ、ここでマイル王や世代の実力馬をねじ伏せ、王者復権を果たすことはできるのか。

 

レースではいつも通り馬群の中団に付け、エフフォーリアとグランアレグリアを見るような位置に付ける。そして直線ではゆっくりと外に出し、スパートを開始。一気に前へと並びかける。

しかし、3歳世代の勢い、爆発力が上回った。

先に抜け出したエフフォーリアを捕らえることができずに、ここでも2着と惜敗。

グランアレグリアにこそ先着したものの歯がゆいレースが続くこととなった、、、

残されたレースはジャパンカップのみ。

キャリアが浅いとはいえこれまでに古馬GⅠ未勝利であること。この年同世代の馬たちが全体に不振であったことからも

「3冠馬になれたのは世代のレベルが低かっただけ」

という雑音も一部から聞こえ始める、、、

最後こそ、しっかりと勝利を決め有終の美を飾りたいところ。

復活!涙のラストラン そして引退へ、、、

ジャパンカップ

いよいよこの馬の現役生活に幕を閉じる時がやってまいりました。

相手はエフフォーリアをダービーで倒したシャフリヤール。
前走アルゼンチン共和国杯を圧勝。本馬とはホープフルS以来の対決となるオーソリティが筆頭。
他には菊花賞で首差まで本馬に迫ったアリストテレスやこの年の3歳牝馬でオークス馬であるユーバーレーベンらが参戦。

泣いても笑ってもラストラン。有終の美を飾り3冠馬の威厳を示すことはできるのでしょうか。

これが3冠馬の実力だ!

レースではスタート後中団に位置すると直線ではいつものようにゆっくりと追い出しを開始。
それに応えるように加速し、一気に先頭集団へ並びかける。

そして一緒に伸びたシャフリヤールを突き放し、抜け出したオーソリティを捕え、
最後は2馬身突き放しての快勝。

まさに最後に3冠馬の意地、威厳を示した瞬間だった。

鞍上の福永騎手はゴール直後に雄叫びをあげ、ウィニングランでは思わず涙。

騎手人生で最高の経験をさせていただきました。もうこんな馬には出会えないんじゃないかって思います。この馬は本当に強いんです。もっとみんなに知ってほしかったです。              <中略>
これから2年後、3年後、コントレイルの子どもがまた競馬場に戻ってくると思います。僕自身も非常に楽しみにしていますし、また競馬の歴史をつくってくれる子どもを生み出してくれるんじゃないかと期待しています。

と、涙をこぼしながら愛馬を労い、褒めたたえ、そして子供への期待を口にしていた。

この姿に一部ではもらい泣きするファンもいたほどである。

無敗の3冠馬コントレイル 最後に大きな感動と衝撃を残してターフに別れを告げたのであった。

引退

コントレイルは2021年12月4日に競走馬登録を抹消

今後は北海道安平町の社台スタリオンステーションで種牡馬となる予定だ。

種付け料は1200万。初年度としてはあの父ディープインパクトと同じ金額だ。
にもかかわらずもう既に満口になってしまった。

いかに生産界から期待されているかがわかるであろう。

ここまで愛馬を管理し、ジャパンカップ後の引退式にて本馬に跨った矢作調教師はインタビューで

言葉にならないです。プレッシャーとの戦いでしたけど、本当に楽しい2年間でした。今年に入って勝てなかった時は周囲からの雑音も入ってきましたし、悔しい思いもしてました。でもこうしてみなさんの応援のおかげで勝てることができて感無量です。
先ほど初めて跨って空を飛んでいるようでした。
子供も間違いなく空を飛ぶことができると思いますしコントレイルの子供で凱旋門賞を取りに行きたいと思います。

と、秘めた想いを涙ながらに語り子供への期待を口にした。

2019年~2021年にかけて空へ飛んでいくような走りを見せてくれたコントレイル。
子供にもその衝撃が受け継がれることに期待したい。

まとめと筆者の感想

まとめ

さて、コントレイルの出生から引退までの解説が終わりました。

新馬戦から無傷の7連勝で史上3頭目となる牡馬クラシック3冠を達成。

その後、馬場の状態や体調などの不運もあり、結局菊花賞以降は1度も勝てないままラストランへ。

実力を疑問視する声も一部で上がる中、最後は飛ぶような走りで差し切り有終の美を飾りターフを去っていきました。

これまでの3冠馬とはまた違った、印象に残る名馬だったのではないでしょうか。

そして今度は種牡馬として、日本の競馬界を支えていくこととなります。

産駒は順調なら2025年にデビューし始めます。

子供たちがどのような活躍を見せるのか、非常に楽しみですね!

 

筆者の感想

本ブログの閲覧、誠にありがとうございます。

ここまでの内容はいかがでしたでしょうか?
競馬やコントレイルの魅力が伝わっていれば幸いです。

さて、ここからは筆者である私の感想を述べさせていただきます。
筆者の主観がより強い内容なのでご注意ください。

私がこの馬のレースで1番印象に残っているのは東京スポーツ杯2S

この時、私は家族と現地でこのレースを見ていたのですが、2着以下をどこまでも突き放していく
あの姿は今でも目に焼き付いていますし、父ディープインパクトを見ているかのようでした。

そしてレース後もタイムの良さも相まって家族とこの話題で持ちきりでした(笑)

この時点で3冠達成あるのではないかと期待したほどです。

また、私はこの馬の長所をキレとスピードの持続力だと考えており、良馬場のマイルがベストの馬だと考えています。

正直なことを言うと安田記念での走りも見てみたかったなと感じています。

しかし、逆に言えばそういった馬が3000mの菊花賞を勝利し、負けはしたけれど極悪馬場の中で3着を確保したというのはコントレイルが並大抵の馬ではないということの証明だとも感じています。

3冠馬というと長距離を得意とし、天皇賞春や有馬記念などを出るのが当たり前のような雰囲気がある中、こういった3冠馬が現れたというのは今後の競馬界へ非常に大きな財産となるでしょう。

決して、運が良かった3冠馬などではない。
適性の壁を乗り越えてその偉業を掴み取った歴代でも類を見ない偉大な3冠馬なのです。

また、無理に適性外のレースに出さなかった陣営にも賛辞を贈りたいと思います。

3冠馬としてこのレースには出なければならない」というのはない。
いろんな名馬、3冠馬の形があっていいと私は思うんです。

新馬から無傷の7連勝で無敗の牡馬クラシック3冠を成し遂げ、その後勝ち切れないレースが続きながらも最後には3冠馬としての重圧を跳ね除け、見事有終の美を飾ったコントレイル。

その姿に多くの人が勇気と感動をもらいました。

その走りや雄姿が産駒にも受け継がれることに期待し、デビューを楽しみに待ちたいと思います。

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本記事はこれにて終了となります。

次の名馬解説はサイレンススズカを予定しています。

また、下手くそではありますが下記のコーナーでは毎週予想記事も出していたりするのでよろしければぜひそちらもご一読ください。

ゆっくりホースのお部屋
​​主が競馬を見始めたのは小学生の時。 そしてそこから10年が経ちました。競馬の魅力をより多くの人に知ってもらいたい。多くの競馬ファンの方々と交流がしたい。学生ながら常にこんなことを思いながら日々を過ごしてきました。 そしてYouTubeを...

それではご閲覧ありがとうございました。

参考文献

コントレイル (競走馬) – Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%AB_(%E7%AB%B6%E8%B5%B0%E9%A6%AC)#%E7%AB%B6%E8%B5%B0%E6%88%90%E7%B8%BE

JRA福永祐一「センスがいい。言うことがない」大器コントレイルを絶賛! 前田幸治代表「もちろん大きな舞台を」期待馬がノーステッキ快勝
https://biz-journal.jp/gj/2019/09/post_118979.html

【東スポ杯2歳S】コントレイル、衝撃2歳レコードV!2着に5馬身差
https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2019/11/17/kiji/20191116s00004146496000c.html

【日本ダービー】完勝コントレイル!笑顔の福永「遊びながらダービー勝っている」「底が見えない」
https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2020/05/31/kiji/20200531s00004145264000c.html

第40回ジャパンカップ – Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AC%AC40%E5%9B%9E%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%91%E3%83%B3%E3%82%AB%E3%83%83%E3%83%97

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https://www.youtube.com/channel/UCJw-lp-C-Rhwe4WOTZkOxaw

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